前WBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太(36)はこう語り、涙を拭った。
「ほんの少しだけ自分のことを評価してもいいかな」
4月9日、さいたまスーパーアリーナで村田が拳を交わしたのは、現役最強ボクサーと称されるIBF世界同級王者、ゲンナジー・ゴロフキン(40)だ。
「前半は村田のボディが効いていたが、中盤からゴロフキンが攻勢をかけた。9回に右フックが村田の顔面に炸裂。タオルが投入されました」(スポーツ紙記者)
奈良県出身の村田がボクシングジムの門を叩いたのは、中学生の頃。不良少年だった村田を見かねた担任教諭が、奈良工業高校(当時)の主催するボクシング教室を見つけてきたのだ。
当時の同校ボクシング部監督でリオ五輪ボクシング競技監督を務めた高見公明氏が村田の原点を振り返る。
「髪を金髪に染め、ヤンチャでしたが、今とは違って身体が小さかった。結局、練習がきつくて、2週間で逃げてしまった」
初回登録は初月300円で
この続きが読めます。
有料会員になると、
全ての記事が読み放題
既に有料会員の方はログインして続きを読む
※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。
source : 週刊文春 2022年4月21日号