「だからお前、俺に報告がないだろうが! 本当に!」
「申し訳ございません!」
「書いてあるだろ! 16時まで待てって」
これは一般企業の上司が新人社員を罵倒する様子ではない。インプラント界の重鎮医師と事務方トップのやり取りである。
全国の歯科医約1万5000人が入会する「日本口腔インプラント学会」(東京都)。デンタルインプラントの高度な専門的技能を持つ歯科医の養成を図る目的で設立された、内閣府認定の公益社団法人だ。
「会員の約九割が開業医で『口腔インプラント指導医』や『口腔インプラント専門医』などの資格を認定する団体です」(医療担当記者)
同学会の事務局長に稲本秀男氏(仮名)が就任したのは2020年7月のこと。稲本氏が語る。
「元々地方で公務員として働いていたのですが、一念発起して上京したのです。齢60を超え、第2の人生に挑戦するつもりでした」
だが――。
「勤務を開始して1週間後にはパワハラの兆候を感じ始めました。専務理事から連日、叱責メールが届くようになったのです」(同前)
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source : 週刊文春 2022年4月21日号