雪原で銃を構える24歳。上半身裸で「自撮り」をし、肉体美を見せつける33歳。軍服姿でギターを構える29歳。ロシア兵たちが色気たっぷりの写真を載せているのが、マッチングアプリ「Tinder(ティンダー)」だ。
ティンダーは位置情報を用いて、マッチングした男女がチャットできる“出会い系アプリ”。「550億以上のマッチを生み出した」が謳い文句だ。
このティンダーに今、ロシア兵が殺到している。
英紙『デイリーメール』は3月、英国の諜報機関がSNSを通じ、ロシア兵から情報収集をしていたと報じた。特に出会い系アプリは無防備で、作戦の詳細も事前に漏れていたという。SNSに詳しい桜美林大学・平和博教授が言う。
「プライベートな通信なので、気を許してしまうのでしょう。ロシアはフェイスブックやインスタグラムなどの使用を厳しく制限していますが、『デジタル鉄のカーテン』が出会い系アプリには下りていないようです」
長引く戦争、不十分な兵站――ロシア兵の士気の低下は著しいが、戦場でマッチングアプリを使うほどなのか。小誌男性記者もティンダーで話を聞いてみることにした。
プロフィールに女性と記入し、自分の位置情報をウクライナ第2の都市ハルキウに設定。するとハルキウ周辺の男性のプロフィール写真が次々と表示される。スマホの画面を右にスワイプすると相手に「LIKE」の通知が届く。相手も「LIKE」ボタンを押せばマッチングが成立し、メッセージのやりとりが出来るのだ。
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source : 週刊文春 2022年4月21日号