「“特別軍事作戦”で起きていることが気に食わないんだ。でも、私には何もできない。これを『戦争』と呼ぶことは禁じられている」

 言葉少なに語ったのはモスクワ在住の男性(24)だ。記者が特別軍事作戦への賛否を問うと会話は途切れた。

IT技術者の流出を危惧するロシア電子通信協会会長

 ウクライナ侵攻後、20代を中心にロシアからの「脱出」を望む若者が増えている。国外移住者を支援する非営利団体「OKロシアンズ」の調査によると、侵攻開始から1カ月足らずで少なくとも30万人のロシア人が出国したという。

 小誌はティンダーやテレグラムなどのSNSを通して、モスクワ在住のロシア人の若者約10人を直撃。彼らの偽らざる本心を聞いた。

 音楽家のセルゲイ(22・仮名)は、インタビューを申し込むと最初に「匿名でお願いします」。この一言で、彼が戦争に否定的な立場であることが分かった。

「今起きていることにショックを受けています。私はロシアを離れることにしました。今、東南アジアに向かう準備をしています。今後はこの戦争で被害を受けた人を支援していきたい」

 プーチンに対する思いを問うと、「ごめんなさい。あなたの質問に答えることができません。私は家族を愛していますから」。

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source : 週刊文春 2022年4月28日号