「問題は給料未払いだけではありません。全く知られていませんが、じつは理事長による補助金の“横領”も常態化していました」

 そう声を潜めるのは、学校法人南陵学園が運営する和歌山南陵高校の関係者だ。

 5月11日、同校では教職員23人が給与の支払いを求めてストを行った。

「副校長が主導してストを行いましたが、当日先生たちは学校に来て自習を見守っていました。給与未払いの他にも学生寮のガスの支払いもままならず、生徒がお風呂に入れない状態でした」(同校現役教師)

寮のガスも止まった(写真は全て同校HPより)

 学校運営を担ってきたのは、法人の理事長である小野和利氏だ。

「同法人の前身は元衆院議員の井脇ノブ子氏が代表を務めていた学校法人国際開洋学園です。2009年に約8億円の負債を抱えて理事長を交代。当時約2億円を法人に寄付したと言われるのが小野氏。11年に法人は名称を変更し、その後、小野氏がトップに就任した」(前出・和歌山南陵関係者)

 再建当初は系列校にあたる菊川南陵高校(静岡県、現在は休校中)の部活動に力を入れており、特に野球部は13年に夏の静岡県大会で準優勝を果たしている。

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source : 週刊文春 2022年6月2日号