すべての病気は腸から始まる――。

　古代ギリシャの医師・ヒポクラテスが、約2400年前に遺した箴言だ。これは、「75歳の壁」を乗りこえんとする今日の高齢者にもそのまま当てはまる。

　後期高齢者が直面する腸の疾患といえば、なんといっても日本人の部位別がん罹患数の1位である大腸がん。殊に女性にとっての脅威だ。70〜74歳の女性の、部位別がん死亡数の1位は肺がんだが、75歳以上では大腸がんが1位となるのだ。

　なぜ女性に多いのか。肉類が中心となるなどの“食事の欧米化”がより大きく影響している、などともいわれるが、日本橋室町三井タワー　ミッドタウンクリニック常任顧問の山門實医師が指摘する。

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