お笑いタレント・いとうあさこ(52)が出演した「ファミリーヒストリー」(NHK)が金融界で密かな話題を呼んでいる。
番組内で明かされたのは、父方の祖父が旧三井の銀行マン、母方の祖父がスチール家具で成功した大物実業家で、ともに数代前まで遡ると、“日本資本主義の父”と呼ばれた渋沢栄一と縁のある家柄だったことだ。
ただ、それだけではない。
「いとうの父親は以前から“銀行の役員では”などと噂されていたのですが、誰だか判然としなかった。今回、父親として元富士銀行常務の伊藤新造氏が登場したことでその謎が解けました」(メガバンク幹部)
新造氏は59年に東大法学部を卒業後、富士銀行に入行。「富士は入行時から将来の幹部候補を10人程度に絞って育成する。伊藤氏もその一人だった」(富士銀行OB)という。本郷や九段の支店長を歴任し、87年に取締役人事部長、90年に常務に昇格した。
筆者は当時の新造氏と面識がある。東大卒のエリートが多く、自己主張が強い行員が出世しがちだった富士銀行。そんな中で、新造氏は支店での営業経験が長いこともあってか、珍しく柔和な印象だった。
「最後まで頭取候補の一人と目されていましたが、92年、常務を最後に関連の芙蓉総合リース社長に転じます」(同前)
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source : 週刊文春 2022年7月14日号