「映画監督としてのスキルを全部投入して作り上げた」

 そう語るのは東京五輪公式記録映画「東京2020オリンピック」の総監督を務めた河瀬直美氏(53)。アスリートを描いた「SIDE:A」と運営側に迫った「SIDE:B」の2部作が連続して公開されたが、ある“トラブル”も……。

「SIDE:A」は「カンヌで絶賛」と報じられた

「B」の公開まで10日を切った6月15日のこと。映画公式HP上で突然、同作の音楽を担当する予定だったシンガーソングライター・藤井風(25)が降板し、別の音楽家に依頼することになったと発表されたのだ。

 藤井は「A」の冒頭で「君が代」を歌い、エンディングには書き下ろし曲を主題歌として提供。なぜ「B」の曲は作らなかったのか。

若者のカリスマの藤井(公式HPより)

「監督の熱烈なラブコールで、昨年には藤井が両作品の音楽を担当することが決まっていた。ところが監督は編集をそれぞれ公開直前まで引っ張り、完成映像を見ながら音楽を入れたい藤井側を延々待たせたのです。『A』は作業がギリギリ間に合ったが、『B』の編集途中で監督はカンヌ映画祭の公式上映に出席するなどバタバタに。5月から全国ツアーに入っていた藤井側が『もうできません』と断ったのです」(映画関係者)

 藤井の所属事務所に降板理由を問うと「映画制作側の制作進行が遅れたため、当初想定していたスケジュールで作業できなくなったためです」と回答した。

 では代わりにエンディング曲を担当した“別の音楽家”とは誰か。

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source : 週刊文春 2022年7月14日号