周囲を板で覆われた高さ88センチ、奥行91センチ、幅124センチの“檻”。朝食も与えられずに閉じ込められた女児は、室温が徐々に上がる中、やがて泣き叫ぶ力も無くなり、衰弱していった――。
6月29日、大阪府富田林市のUR団地で、小野優陽(ゆうは)ちゃん(2)が熱中症で死亡した。大阪府警は優陽ちゃんの祖母・小野真由美容疑者(46)と内縁の夫・桃田貴徳(ももだたかのり)容疑者(50)を保護責任者遺棄の疑いで逮捕。優陽ちゃんは真由美の三男・A(20)の長女にあたる。
「当日の朝5時、真由美と桃田、それに2人の間に生まれた五男(5)の3人がユニバーサル・スタジオ・ジャパンに車で出掛けた。この際、優陽ちゃんをベビーサークル内に置き去りにしたのです」(社会部記者)
四男(15)も7時40分ごろに学校に登校。エアコンと扇風機はつけていたが、窓は開いており、この日の市内の最高気温は34.5度まで上昇していた。
「夕方4時頃に帰宅した四男が、口から血を流して体が硬くなった優陽ちゃんを見つけ、慌てて真由美に連絡。真由美は『水をかけて』と指示したが、昼頃には亡くなっていた」(同前)
優陽ちゃんを“放置死”させた一家は、どのように形成されてきたのか。
真由美とその子どもたちが大阪府高石市内のアパートに引っ越してきたのは2014年のこと。真由美は四男一女の母親で、Aは中学1年だった。当時の一家を知る真由美の友人が語る。
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source : 週刊文春 2022年7月14日号