偉くなっても態度が変わらない|阿比留瑠比

証言「安倍晋三と私」

「週刊文春」編集部
ニュース 政治

 第一次、二次安倍政権で官邸キャップを務め、2016年に『総理の誕生』(小社刊)を上梓した、産経新聞論説委員兼政治部編集委員の阿比留瑠比(るい)氏(56)。彼が初めて接したのは、安倍氏本人にはメリットのない密着取材だった。

 

 1998年7月、政治部に配属になったばかりの私は、自民党総裁選での若手議員の活動に張り付く企画を担当しました。記事中では匿名なので、国会議員にとっては宣伝にならず、煩わしい企画に違いなく、最初に頼んだ議員には取材依頼を断られた。そこで二回生議員だった安倍氏に申し込むと、あっさり「いいよ」と了承してくれたのです。

 すらりと背が高く、早口で、政治家らしさはなかったものの、フランクで、私の話にじっと耳を傾けてくれた。今となっては言うのもおこがましいですが、歴史観や外交・安全保障観が、私と近い事に驚きました。

 その後、私は他の政党、官庁の担当となっても、安倍事務所に通うようになります。しかし当時の自民党はリベラルの加藤紘一氏らが主流派で、安倍氏は異端児扱いされていました。初当選同期の田中真紀子氏や野田聖子氏が閣僚入りし、塩崎恭久氏らも政務次官として政府入りする中、安倍氏は取り残されていました。

「もう開き直った。こうなったら(第一志望の)外務政務次官以外だったら、話が来ても受けない」

 そんな不平を、私に漏らしたものです。

 00年、安倍氏は森喜朗内閣で官房副長官に起用されます。同期で最も遅い政府入りでした。

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source : 週刊文春 2022年7月21日号

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