▶︎時間より体勢に注意 “朝ドラ”がいい理由
▶︎“スポーツ視聴”で鬱リスク3割減
「僕らの世代はね、テレビを草創期から視ているんです。子供の頃、街頭テレビで力道山のプロレスが中継されてね。テレビは戦後の経済成長の中で生活に根付いていって、なくてはならない存在になりました」
そう語るのは、みのもんた(77)だ。日本でテレビ放送が始まったのは1953年。今年75歳の人が6歳の年である。75歳は“元祖テレビっ子世代”だと言えるだろう。
みのが「今もテレビをつけていると安心感がある」と語る通り、テレビの視聴時間は年代が上がるほど長くなる。70歳以上の平均視聴時間は、平日が約5時間半、土日は約6時間(NHK放送文化研究所・2020年国民生活時間調査)。シニア層の睡眠時間とほぼ等しく、起きている時間の、およそ3分の1はテレビをつけて過ごしていることになる。この時間をどう過ごすかで、高齢者の生活は大きく変わってくる。
国立環境研究所の谷口優主任研究員が指摘する。
「座って動かない時間が長いほど、死亡リスクが高まるという研究結果があります。筋肉が動かないことで、血液中の糖を輸送する機能が低下したり、脂質の分解に必要な酵素の活性が落ちたりして、代謝疾患の原因となる。また、血流が悪くなって血管が傷つきやすくなり、心血管疾患にも繋がります」
テレビを長く視ている、という自覚があるなら、ひと工夫が必要。注意すべきは視る時間の長さより、視聴の“体勢”にあるという。
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source : 週刊文春 2022年7月28日号