「猪木さんからいただいた直筆の色紙は宝物です」
涙ながらにこう声を震わせるのは、元女子プロレスラーのブル中野(54)だ。
小学5年生の時、テレビで猪木さんの試合を見て「自分は今まで生きていなかったんじゃないか」と思うくらい激しく心を揺さぶられて、プロレス界に飛び込みました。その猪木さんに初めてお会いしたのは、私が米国のWWFに参戦していた93年頃。住んでいたNYに猪木さんが講演に来られたんです。打ち上げに呼んでもらい、スーツ姿の猪木さんに会ったときは、オーラに圧倒されてしまって。緊張する私に猪木さんは言いました。
「今度、北朝鮮行くか?」
「はい、行きます!」
それが95年に平壌で開催された「平和の祭典」。猪木さんは会場やレスラーの手配や交渉など裏方仕事をこなしながら、ご自身のトレーニングも毎日欠かさなかった。NYでも平壌でも、ホテルに滞在中、毎朝ランニングに出かける。でも、長年の過酷な試合の影響が身体に出ていました。
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source : 週刊文春 2022年10月13日号