▶︎タンパク質はマスト
▶︎油をとらないと便秘に
▶︎使える半熟卵
▶︎肉が足りない場合は揚げ物で
今年9月、日本の100歳以上高齢者は、9万人を超えた。もはや100歳まで生きることは、不思議なことではない時代となった。長寿社会を健康に生きるために不可欠な「食」。人生100年時代に伴って、これまでの「常識」をくつがえすような研究結果が生まれてきている。
「60歳を過ぎると、体は急激に衰えていきます。それと同時に食のパラダイムシフトが起きている。ところが多くの人の食事に対する認識は40代、50代の時と変わらないのです」
そう語るのは、熊本リハビリテーション病院・サルコペニア・低栄養研究センター長の吉村芳弘医師だ。現役世代とは異なる“新常識”で食事と向き合う必要があると指摘する。
「現役世代の最大の“敵”は、糖尿病などの生活習慣病やガンです。そのため太ってはいけない、大腸ガンのリスクがあるから肉を食べないなどと食生活に注意している方は多い。ところが60歳を越えても、同じことを続けていると低栄養となってしまう。今や低栄養こそが、高齢者にとって新たな“敵”なのです」
低栄養とは、エネルギーの摂取量が少なく、筋肉、皮膚などをつくるタンパク質やビタミンが足りない状態を指す。
「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」(厚生労働省)によると、65歳以上の高齢者のうち、男性の約12%、女性の約20%が低栄養傾向とされている。さらに85歳以上になると、男性の約17%に対して、女性の約28%が、低栄養傾向にあるという。特に女性にとって、低栄養は大きな問題なのだ。
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source : 週刊文春 2022年10月20日号