ツイッター上に溢れる「死にたい」「殺して」という悲鳴。“死神”を名乗る無職の中年男は若い女性に絞り、接触を繰り返していた。その1人、22歳の女子大生はなぜ、死の淵に追い込まれたのか。彼女の人生を辿る。
「友人と手稲で待ち合わせしてるから出かけるね」
石狩湾の上空をうっすらと雲が覆っていた10月3日午前。日本医療大学4年の瀬川結菜(ゆいな)さん(22)は家族にそう言い残し、戸建ての自宅を後にした。
最寄りのJR小樽駅から函館本線に揺られて約30分。札幌市の手稲駅に着くと、瀬川さんは駅前に待機していたダークグレーのレンタカーに乗り込んだ。
ハンドルを握る“友人”の右手の甲には、ラテン文字で〈cogito ergo sum〉(我思う故に我あり)と、タトゥーが彫られている。親子ほど年齢の離れたその男は、6日前の9月27日にも札幌駅近くのカラオケボックスで会っていた、小野勇容疑者(53)だった。
合流した2人は、札幌市内のカレー店で昼食を済ませた後、スーパーで買い物をし、札幌市東区にある小野の自宅アパートへ。築26年、家賃3万円弱の2階1DKの部屋だ。室内はギター、大量のぬいぐるみやサバイバルナイフが置かれ、雑然としている。
同日夜、小野は、フライパンでステーキ肉を焼く動画をツイッターに投稿しつつ、こうつぶやいた。
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source : 週刊文春 2022年10月27日号