統一教会（現・世界平和統一家庭連合）の現役信者の家族は、どれほど苦しみ、脱会を望むか。今回は、入信した娘を取り戻せずにいる、ふたつの家族の証言を紹介する。

④戸籍の除籍で、合同結婚式参加を知った両親と兄の証言

　今年35歳になる娘が理系の大学を卒業する間際、指導教授が斡旋してくれた就職を断わると言い出したことが、異変の始まりだった。教授は「もしかすると、悪い宗教に入っているかもしれません」と両親に告げた。それが統一教会だった。

　兄「妹の入信を知ったときは、自分の人生も自分の家族も否定されたようなショックを受けました。女性として自立したいと言っていた妹が、家庭で男性を立てるのが女性のあるべき姿だと言い始めたのは、統一教会の考え方に染められた証拠だと思いました」

　母があちこち問い合わせをして、キリスト教関係者と巡り合った。家族揃って勉強会に何年も通い、救出の手段を模索した。勉強に使う聖書が娘の目に触れないように、気を遣った。反対派と繋がっていると悟られれば、警戒されるからだ。

　母「娘の入ったお風呂場からピチャピチャと妙な音がするので、キリスト教関係者に訊いてみたら『回数を数えてみなさい。40回だから』と言われました。確かめてみるとその通り。家族の理解を得るために、毎日40回の水浴びをするのだそうです」

　父「いつ合同結婚式に参加するかわからないので、毎月のように戸籍謄本を確認しました。ついに除籍になっているのを目の当たりにしたときは、本当に身体から力が抜けていくのを感じました」

　母「結婚は事後の連絡だったんです。日本人とマッチングされて、いまは東北地方に住んでいます。相対者（結婚相手）と2人で約束なしに家へ来たことがありましたが、『会いたくない』と追い返しました」

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