「これが世界第2位の軍隊かよ!」
ある動画の中で、ずぶ濡れのロシア兵はそう不満をぶちまけた。11月11日、ウクライナ南部の主要都市ヘルソンからロシア軍が撤退した。ロシア軍の兵士たちは、まさに生き地獄を味わっている。
軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は、戦況をこう分析する。
「ITを使った情報戦でウクライナが圧勝しています。ドローン、通信傍受などを利用し、敵軍の位置を掴む作戦が成功。アメリカの支援も背後にはあるでしょう」
米軍トップのミリー統合参謀本部議長は11月9日、ウクライナで死傷したロシア軍兵士は10万人を超えるとの見方を示した。
NATOを中心とした欧米の莫大な援助を前に、劣勢に立たされるロシア軍。戦場の実態を知らせまいと政府や軍は躍起になるが、動員された兵士の悲鳴が、SNSを通じて広まっている。国際ジャーナリストの山田敏弘氏が話す。
「最近公開された最前線のものとされる動画では、森の野営地にいる兵士が、テントと透明なビニールシートをつないだ空間で、コーヒーを飲む姿が映っていた。朝の気温は氷点下で、凍えるように過ごしている。燃料が足りないのか、火が付いてないストーブや、泥濘の上が食事スペースであることへの不満が語られていた」
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source : 週刊文春 2022年11月24日号