「私は10代のモデルさんも多い中、20代の遅いスタートでした。だからずっと不安でしたし、危機感も持っていた。それで見聞を広めるために、待ち時間が少しでもあれば本を読んだり、海外ロケの合間に美術館に行ったり。1分も無駄にしないよう必死でしたね」
そう振り返るのは、モデルの押切もえ(42)だ。
2000年代半ばに一世を風靡したファッション誌『CanCam』(小学館)。大ブームの牽引役が、押切、蛯原友里(43)、山田優(38)の3人だ。当時の編集長・大西豊氏が証言する。
「ライバルのJJは60万部でしたが、CanCamは30万部を切っていました。そこでまず2人のモデルを軸にしようと思った。1人が山田優。顔の小ささも体のバランスも抜群で、持って生まれたスター性がありました。もう1人が、伸び悩んでいた押切です。けれど、彼女は誰にも負けない努力家だった。髪型、メイク、スタイリングを全部変えて誌面に出した。すると02年8月号が完売し、一気に人気モデルへ躍り出ました」
そして03年、彗星の如く現れたのが、蛯原だった。
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source : 週刊文春 2023年1月5日・12日号