高齢者にとって肺がんなど呼吸器系のがんは、死に直結する。
国立研究開発法人国立がん研究センターによれば、2020年における肺がんの人口10万人あたりの死亡率は、60歳から64歳までの男性で69.4。一方で75歳から79歳になると343.2と急激に上がる。この傾向は女性も同様だ。
都内のひまわり医院・伊藤大介院長が話す。
「公益財団法人がん研究振興財団の『がんの統計2022』を見ると、肺がんは70代、80代の男性と80代前半の女性ともに、がん死者数トップです」
死者数の減るがんもあるなか、肺がんは加齢によって肺機能が衰えると多くの罹患者、死者が出るとされ、近年、増加傾向だ。
多くの高齢者が肺がんで亡くなる理由を伊藤院長は、「初期症状を見極めることの難しさ」にあると語る。
「肺がん罹患者の約40%は無症状と言われます。国立がん研究センターで肺がん手術を受けた人でさえ、それまでは無症状だったという割合が8割を超えているんです。これは非常に怖いデータです。
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source : 週刊文春 2023年1月19日号