怪訝(けげん)に思われるかも知れないが、室町時代を勉強するとき、現代のヤクザや興行の世界の知識が意外に役立つことがある。たとえば任侠映画を見ていると、血判状とか盃事(さかずきごと)とか指詰めの話題がよく出てくるが、あれなどは、そのまま室町時代の神仏への誓約のルールである。あるいは、学校教科書では「織田信長の楽市楽座令により、室町時代以来の同業者組合としての座は解体された」などと説明されているが、映画館名や劇場名として「〇〇座」という呼称はまだ現役である。江戸時代になると、表向きは室町以来の独特の慣習は廃止されたり衰退したりするのだが、任侠や大衆芸能の世界では、なおそれらは密かに生き続けているのだ。

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source : 週刊文春 2023年2月2日号