――週刊文春です。

 

「もう、あまり書くことはないんじゃないですか?」

 

――オフレコではなくオンレコ取材です。

 

「知っています」

 

 2月5日、そう言って取材に応じたのは、荒井勝喜前首相秘書官(55)だ。

「誤解を与える表現だった」と述べた荒井氏

 東芝やシャープの再建問題で辣腕を発揮し、“異能の官僚”と言われた荒井氏。事務次官候補との呼び声も高く、岸田政権下で首相秘書官に就任する。広報を担当し、演説のスピーチライターも務めるなど岸田文雄首相の信頼も厚かった。

岸田首相には政策の助言も

「その荒井氏が問題発言を行ったのは、2月3日夜8時半頃。首相官邸でのオフレコ取材の場でした。同性婚についての見解を問われ、『秘書官室も皆、反対している。見るのも嫌だ。隣に住んでいたら嫌だなと思う。認めたら国を捨てる人が出てくる』などと口にしたのです」(政治部デスク)

 毎日新聞は、首相秘書官の差別発言は実名報道の意義が大きいと判断。同日夜10時57分、女性官邸キャップT氏の署名記事をネットで配信した。翌2月4日には岸田首相は、荒井氏を更迭したのだった。

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source : 週刊文春 2023年2月16日号