夜の帳が下りた頃、ショッピングセンターやネオン街が賑やかな東京・府中駅から程近い住宅街に親子ほど年の離れた男女がいた。2人は、その地の6階建てのラブホテルのレンガで覆われた入口を抜けて――。
女性は、それから約24時間後、変わり果てた姿で発見された。
社会部記者が話す。
「2月3日午前1時35分頃、ホテルの従業員から『宿泊客と連絡が取れない』と通報があった。2階の部屋に警察官が駆けつけると、平林さなさん(24)がベッドの上で首から血を流し、あおむけで倒れていた。その場で死亡を確認。衣服は身につけていなかった」
事件発覚の約7時間前。ホテルから1キロほどの所にあるマンション前で倒れている中年の男が発見されていた。白髪交じりのボサボサの髪、中背で痩せ型の男は、酒に酔っているのか、足元はおぼつかない状態だった。警察官が男の所持品を確認すると平林さんのマイナンバーカードを持っていた。
「友人の忘れ物。次会ったときに返す」
男はこう話し、警察官に自宅まで送り届けられた。
この男こそ、3日の夕方に殺人容疑で逮捕される石川晃容疑者(54)だった。
「石川は平林さんと一緒にホテルに入り、約4時間後の2日午前6時15分頃に1人で退出した。その間に平林さんを殺害したとみられる。『持っていたナイフで首を3回、刺して殺しました。首を刺した理由は確実に殺すためです』と容疑を認めています」(前出・記者)
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source : 週刊文春 2023年2月16日号