「彼は、NHK局員でああいう事件を起こしそうな順番を付けるとすれば、最後に来るくらいの男ですよ。スポーツアナウンサーの中では極めて優等生。緻密で情報処理能力が高く、用意周到で仕事熱心だった」
20年以上にわたり共に仕事をしてきた元NHKアナウンサー・刈屋富士雄氏は、愛弟子の“転落”にそう落胆するのだった。
警視庁中野署がNHK札幌放送局のアナウンサー・船岡久嗣(ひさつぐ)容疑者(47)を邸宅侵入の疑いで逮捕したのは、2月20日のこと。社会部記者が解説する。
「2月17日の深夜、船岡は同局の後輩アナ・A子さん(20代)が住む都内のマンションを訪れ、別の住人が入るのを見計らってオートロックを突破。部屋にいたA子さんの友人男性に取り押さえられたのです。その際、逃走を図り、3階共用部のベランダから飛び降りたところ、全身を強打して入院。警察はストーカーの末の犯行と見て、2日間の入院の末、逮捕した」
1975年11月、船岡は札幌市に生まれた。地元の名門・札幌南高を卒業後、早大政治経済学部に入学。大学時代にはアナウンス研究会に所属し、将来の礎を築いた。NHKに入局したのは99年4月。岡山、名古屋放送局を経て、10年7月に東京アナウンス室に異動すると、相撲、テニス、フィギュアの実況を担当。次第に頭角を現した。
「先輩、先輩」と慕われ
一方、プライベートも順風満帆。十数年前に結婚し、2人の子宝に恵まれた船岡は11年4月、都内の一等地に建つ約80平米のマンションの一室を購入する。
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source : 週刊文春 2023年3月9日号