「3.11」から12年経ち、政府は再び原発推進へと舵を切った。だが、放射性廃棄物の処理問題は重い課題として残る。本当に原発は安全なのか。日立の原発施設で発生した“事故”を巡る警備員2人の「覚悟の告発」。
「家族にもこの“事故”のことを言えず、本当に怖かった。体に何か影響が出てくるのかと不安で、今でも眠れない日があります」
こう語るのは、日立製作所の王禅寺センタに勤める「ALSOK昇日セキュリティサービス」の警備員・山崎勇太さん(仮名)だ。
1910年、茨城県日立市で創業された日立製作所。連結従業員数36万人を超える、日本を代表する電機メーカーである。
「2021年度の売上高は前年度比プラス17%の約10兆円。中でも原子力部門を管轄するエネルギービジネスユニットの売上高は約1兆4000億円と、日立の中核を担っている。現在も島根と青森で3基の原子炉を建設中です」(経済誌記者)
日立の原発施設は都市部にもある。その一つが川崎市麻生区の住宅街に位置する王禅寺センタだ。1962年、民間では日本初となる純国産原子炉の運用を開始。原子炉設計技術の確立や原子力技術者の教育を目的にしていた施設である。
「原子炉は75年に運転を停止し、2005年までに使用済み燃料も搬出。現在は稼働当時に被ばくした防護衣や白衣、炉室内のコンクリートやタイルの残骸等、50ℓドラム缶約1600本分の放射性廃棄物が保管され、日立が保守管理を続けている。今後、それらを全て搬出し、施設は更地にする予定です」(同前)
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source : 週刊文春 2023年3月16日号