「彼はソフトテニス部に入っていて、以前は部活中に明るい笑顔を見せていた。それが最近、暗い表情で俯きながら歩いていたんです」
そう語るのは長崎県立壱岐高校2年生・椎名隼都(はやと)君(17)の友人だ。
長崎県の壱岐島(いきのしま)は九州北部の玄界灘沖に位置する離島で、福岡市の博多港から高速船で約1時間、長崎空港から飛行機で約30分の距離にある。南北約17km、東西約15kmの島には約2万5000人が住んでいる。
椎名君は中2の時からこの島で生活していた。
「彼は茨城県出身で、壱岐市の離島留学制度で来島。“里親”であるAさん宅にホームステイしながら高校に通っていた。あまり感情を表に出すタイプではなく、大人しくて心優しい子。ソフトテニス部の先輩が部を引退する時には泣いていたそうです」(前出・友人)
椎名君の留学生活は5年目に差し掛かろうとしていた。その矢先――。
「大雨が降っていた3月1日、忽然と姿を消してしまったのです」(同前)
初回登録は初月300円で
この続きが読めます。
有料会員になると、
全ての記事が読み放題
既に有料会員の方はログインして続きを読む
※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。
source : 週刊文春 2023年3月23日号