〈死後に於いても、怨霊となり、永遠に祟り続けます〉。こう“遺書”に記した男は姉を日本刀で刺殺し、境内で自害という壮絶な死を遂げた。神明のご加護を祈る境内で、凄惨極める事件がなぜ起きたか。30年に及ぶ一家の確執を紐解き、「江戸最大の八幡さま」の闇に迫る。
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奇声を上げながら日本刀で切りつけた
創設390年の歴史を誇る「深川の八幡さま」。12月7日の夜、八幡神・応神天皇が祀られる静謐な境内の闇に紛れ、一組の男女が息を潜めていた。
「夜8時半、富岡八幡宮の宮司である富岡長子さん(58)を乗せた黒色のレクサスが到着。その瞬間、物陰から長子さんの弟で元宮司の富岡茂永容疑者(56)が飛び出し、長子さんを日本刀で襲った。逃げようとした運転手の男性神職(33)を妻の真里子容疑者(49)が執拗に追いかけ、奇声を上げながら右肩から腕を日本刀で切りつけたのです」(社会部記者)
その後、茂永容疑者は妻の胸、背中をナイフでめった刺しにすると、みずからの左胸心臓部分を3カ所刺し、“無理心中”を果たした。
「間もなく3人の死亡が確認されました。特に長子さんの傷は深く、右腕は切断に近い状態だった。唯一、男性神職だけ命に別状はなかった」(同前)
2300通の“遺書”
神社関係者の元にA4・8枚の“遺書”が届いたのは、犯行2日後のことだった。
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source : 週刊文春 2017年12月21日号