前人未到の4連覇を成し遂げた金メダリストを苦悩させ、選手生命まで奪いかねない陰湿な“パワハラ”。その“加害者”は、彼女が高校時代から教えを乞い、6人の金メダリストを育てた名伯楽だった。東京五輪まであと2年。レスリング界に一体何が起きているのか。

◆ ◆ ◆

「練習……そうですね、自分が求めれば、練習させてくれるところはたくさんあると思うんですけど、私が(練習に)行ったことで、栄(和人)監督による圧力が周りの方にかかるのはちょっと懸念している部分ではあるので。うーん、『来て欲しい』って言って下さる方はたくさんいるんですけど、『私が行ったらどうなるのかな』って……」

――東京五輪に向け、練習場所がないということか。

「ないことはないですけど。自分が行く先、行く先、栄監督の目があるので、なかなか(難しい)。狭い世界なので、私がどこに練習に行ったというのはすぐわかるのでストップがかかることも……」

 本誌の直撃に対し、長年の苦悩を明かしたのはレスリングで五輪4連覇を果たした伊調馨(33)だ。

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source : 週刊文春 2018年3月8日号