「すみません、何もお話しできないので……。本当に申し訳ございません」
玄関を開けて表に出てきた母親は、何度もそう繰り返し、深々と頭を下げた。
未成年の長男Aくんは現在、約6700万円の損害賠償を求められた民事訴訟の被告となっている。
一家が暮らすのは自然豊かな岐阜県の地方都市。発端は今年1月3日のことだ。
地元の公立高校に通うAくんは、友人と回転寿司チェーン「スシロー岐阜正木店」を訪れた。食事後、Aくんに友人がスマホを向けると――。醤油ボトルの注ぎ口を舐める、未使用の湯呑みの縁を舐めて戻す、レーンを回るイカの握りに舐めた人差し指で唾液を擦り付ける……最後に親指を立てて決めポーズ。
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source : 週刊文春 2023年6月22日号