8月6日に開幕する「夏の甲子園」。全国49の代表校が出揃った。大阪桐蔭はじめ常連校が相次いで敗退した「波乱の夏」を象徴するのは、神奈川県大会の決勝で起きた“事件”である。

 7月26日、横浜スタジアム。3大会連続の出場を狙う横浜と5年ぶりの夏の甲子園を目指す慶應という好カードの決勝だった。

 事件が起こったのは5―3の横浜リードで迎えた9回表、無死一塁。慶應・丸田湊斗の打球は二塁手の正面に転がった。二塁のベースカバーに入った遊撃手・緒方漣は併殺を狙い、二塁を踏んで一塁に送球。しかしそれは間に合わずセーフ。さらに審判は緒方が二塁を踏んでいないと判定した。

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source : 週刊文春 2023年8月10日号