ところで、Iを任意同行するときに、家族の前で同行を求めないという「テクニック」のようなものを紹介した。

 俺が「参考人を落とす上で家族の存在は重要なカードになる」ということを学んだのは、まだ所轄にいたときのことだった。

 例えば、小平署で知能犯を担当する知能犯捜査係にいた頃のことだ。詐欺の容疑で逮捕されたある男が、取り調べで否認を続けていた。

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source : 週刊文春 電子版オリジナル