「(岸田文雄)首相が平壌を訪問する日が訪れることもあるだろう」

 

 2月15日、北朝鮮の金正恩総書記の実妹、金与正朝鮮労働党副部長が出した談話が、日本に衝撃をもたらしている。朝鮮半島情勢に詳しい朝日新聞記者、広島大学客員教授の牧野愛博氏が、背景を分析する。

金与正党副部長

 今回、金与正氏は「岸田首相訪朝」にいくつかの条件をつけた。談話には、「日本が我々の正当防衛権に言い掛かりをつける悪習を払拭し、解決済みの拉致問題を障害物として置かなければ」とある。これを読み替えると、「核・ミサイルを巡る米朝協議に、日本は口を挟まず、2014年に北朝鮮が提案した拉致問題の解決案を受け入れろ」という意味になる。

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source : 週刊文春 2024年2月29日号