「あれは起こるべくして起こった事故です」
そう告発するのは、12月16日に起きた札幌ガス爆発事故で“火元”となった、不動産仲介会社「アパマンショップ」の元従業員だ。この事故で42名がケガをしたが、奇跡的に死者はでなかった。
「爆発が起きた建物が古い木造モルタルだったのが大きい。すぐに壁が吹っ飛んで、爆発の衝撃が外に抜けたので被害が少なくて済んだと見られています。それでも爆発の規模の大きさに当初、警察はテロの可能性も視野に入れて、捜査を進めていたほどです」(社会部記者)
結局、事故原因は不動産仲介会社の従業員が片付けのため室内で消臭スプレー約120本を噴射、その後、湯沸かし器を点火した際に引火・爆発したものと判明した。それにしても、なぜそれほど大量の消臭スプレーを処理する必要があったのか。前出の元従業員はこう明かす。
「アパマンでは、借主と賃貸契約を結ぶ際に仲介手数料以外に『消臭・抗菌代』などをつけるようノルマが課されています。といっても専門業者が入って作業をするわけではなく、店舗スタッフが消臭スプレーでやるわけです。スプレー缶1本につき、1万800円を請求し、例えば1Kの部屋なら2本分が相場。スプレー1本の原価はせいぜい7、800円でしょう」
「こちらからは説明もしない」
これは本部から直営店に課されたノルマであり、その付帯率は500%、つまり相場が2本分の部屋なら10本分の値段をつけるよう求められるようなものだという。
「消臭代は、契約書にさり気なく盛り込んで、客から求められない限り、こちらからは説明もしない。ただ本当に契約通りの本数で作業したら、床がベチャベチャになるし、そもそも匂いが消えている部屋もあるので、店舗に持ち帰るしかない。私がいた店舗では、それが300本近くも溜まって、まったくさばけなかった」(同前)
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source : 週刊文春 2018年12月27日号