ゴールデンウィーク中の日曜日。

 とても天気のよい朝に、愛犬のスー(豆柴)と散歩に出掛けたんです。

 ウチの近くに大阪万博の頃にできた小さな公園があって、スーはそこで時間を過ごすのが好きなんですね。

 実はこの公園と私の付き合いは古いんです。知り合いの家が近所にあったんで、私は10代の頃からこの公園の前を行き来してました。

 抜けるような青空のもと、5月の気持ちいい風に頬を撫でられながら、スーとベンチに座っていると、ふと滑り台が目に入りました。

「そういえば、あの滑り台、私が10代の頃からあったなぁ」

 途中、何度か補修された跡もありますが、手すりのところなんかすっかり錆びてしまっています。

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source : 週刊文春 2024年5月23日号