「当店のメニューは野菜中心ですが、最近は若い男性客が増えています。彼女に連れられて来店し、その後リピーターになった人も多いんです」(野菜レストラン「農家の台所」を運営する国立(くにたち)ファーム広報担当)
有機野菜の宅配サービス会社「らでぃっしゅぼーや」の調査では、二十代男性で“野菜がとても好き”と答えた人は五三・四%。前年比約一四ポイントも増えている。
最近の二十代男性、いわゆる草食系男子世代は、食べ物までもが本当に草食系男子だったようだ……。
「今の二十代は食生活や食の安全について子供の頃から学んできたため、健康に対する意識が高いのでしょう」(同社・益貴大氏)
草食系男子に詳しい牛窪恵氏も次のように分析する。
「草食系男子は本当にヘルシー志向。大学の食堂でご飯を三分の一盛りという人も珍しくない。メタボおやじのようになりたくないという思いがあるようです」
また、二十代男性の味覚そのものの変化も指摘する。
「これはスイーツ男子の例ですが、上司や先輩などからビールを飲まされる機会が減り、舌が苦味に慣れていないという調査結果もあります」(同前)
なぜ、こんなことに?
「背景にあるのはバブル世代への反発感。草食系男子にとって当時のような豪華なランチや頻繁な飲み会は、無駄なものとして嫌われるんです」(同前)
昨今、若者の間でにわかに農業ブームが起きているが、これもバブル経済への反発の表れか。学生向け農業関連イベントを手掛けるNOPPOの脇坂真吏氏が言う。
「経済成長を体験していない今の二十代は、大企業で出世して……という成功像を抱けない。それより学生時代に学んだ環境問題や食の問題などに興味があるという人が目立ちます」
これなら、農作物の自給率低下も解消されるかも。
「でも、実際に独立農家をやっていけるのは起業家タイプの人がほとんど。草食系男子にはむいていないかもしれませんね」(同前)
やはり草食系男子は、野菜を食べつづけるしかないのだろうか? (糸数康文/オフィスTi)
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