THIS WEEK 政治

「参議院でも過半数」を狙う小沢幹事長が業界団体に圧力

 連立政権樹立に向けた政策協議で社民、国民新両党から、「衆院比例代表定数八十削減の公約は凍結しろ」「子ども手当より保育園増設を優先すべきだ」など強気の要求を突き付けられ、いきなり連立政権の難しさを痛感させられた民主党。同党幹部の間では、「参院でも過半数を」の思いがいよいよ強くなっている。

 民主党所属の参院議員は江田五月議長を含め現在百九人。投票行動を共にする無所属議員を加えても、参院過半数百二十二人には約十人足りず、来夏の参院選では二年前の前回選挙(六十議席)並みの大勝を収める必要がある。決して低いハードルではないが、選挙対策の指揮を執る小沢一郎新幹事長は自信満々の様子だ。民主党の選対関係者が「小沢戦略」を解説する。

「参院選の勝敗の分かれ目は、二十九選挙区ある一人区。前回の勝因も、ここで二十三勝六敗と自民党を圧倒したことにあった。さらに小沢さんは、十二ある二人区にも目を付けている。民主、自民で一議席ずつ分け合うのが通例のため『無風区』とされてきたが、小沢さんは二議席独占を目指し、『候補者を必ず二人ずつ立てる』と言っている」

 その手始めが十月二十五日に補欠選挙が行われる静岡選挙区。今回当選した候補は来年の参院選で民主党現職の藤本祐司氏と戦うことになるため、地元組織は候補者擁立に必ずしも乗り気ではなかった。だが小沢氏は県連会長の榛葉賀津也参院議員に「どうせ来年は二人立てて戦うんだ」と擁立を強く指示した。

「選挙を経ずに単独過半数を握るシナリオも小沢さんの頭の中にはある」と側近議員は語る。一口で言えば、自民党の参院議員の切り崩しだが、標的は農協や歯科医師会、建設業界など各種団体、業界団体の全面支援を受けて当選してきた比例代表選出議員。

「バックの団体や関連省庁の幹部を呼びつけて『あなたたちの代表が自民党に籍を置いている限り、政策要望は実現しない。民主党には移れないまでも、自民党を離党させたらどうか』と言い渡す。『来年の参院選で自民党を応援するつもりではないでしょうな』とも釘を刺す」(同前)というシナリオなのだという。

 うまくいけば、自民党を離党し与党系無所属になる議員が続出し、来年の参院選では自民党の集票マシーンだった団体のいくつかが民主党側で動くことになる。そうソロバンを弾き、剛腕幹事長は笑いが止まらないようだ。


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