各府省が提出した来年度予算の概算要求の中に不要不急の事業がないかをチェックする、行政刷新会議の事業仕分け作業が十一月中旬からスタートする。民主党議員と民間の有識者が連携して各府省の予算要求に切り込み、担当者と丁々発止のやり取りを繰り広げる姿はマスコミに全面公開される予定だ。その先頭に立つのは民主党きっての二人の論客、仙谷由人行政刷新担当相と議員メンバー統括役・枝野幸男元民主党政調会長の師弟コンビである。だが、本番を前に二人の表情は今ひとつ冴えない。霞が関の官僚を向こうに回して、どこまで予算削減の実を挙げられるかという不安もさることながら、小沢一郎幹事長との間で立て続けに起こった二つの事件が気持ちを重くしていた。
一つ目は、行政刷新会議の人選やり直し騒動だ。十月二十二日、枝野氏以下三十二人の議員メンバーが官邸に集められ、鳩山由紀夫首相から「必殺仕分け人となって頑張っていただきたい」と激励。意気揚々と準備作業に入ろうとした矢先、小沢氏側近の山岡賢次国対委員長から待ったがかかった。
「山岡氏の言い分は『事前にもらっていたリストと違う。党の了解を得ていないものは認められない』というもの。リスト以外のメンバーが追加されたのは事実ですが、人選をやり直せば、訓示した首相がピエロになってしまう。平野博文官房長官が『何とか穏便に』と小沢氏に頼んだが、答えは『ノー』。こうしてメンバーは七人に減らされたのです」(民主党担当デスク)
連絡ミスが一つの原因だが、民主党の中堅議員はこう指摘する。
「メンバー追加の件は山岡氏の耳には入っていた。相手が反小沢の仙谷、枝野でなければ対応も違っていたはずです。要するに、俺たちに歯向かう奴は許さないということだ」
二つ目は仙谷氏が後見人、前原誠司国交相と枝野氏がリーダーを務める「凌雲会」の昼食会への横やり事件。二十九日昼に参院議員会館で勉強会を開くという案内状が凌雲会とつながりのある新人議員約四十人にも送られたが、出席者は二人にとどまった。山岡氏をはじめ小沢氏側近で固めた国対幹部から「出るなとは言わないが、新人は他に勉強することが山ほどあるだろう」と因果を含められ、ドタキャンが相次いだためだった。
事業仕分けにもどんなクレームがくるか。仙谷、枝野両氏は気が気でならない様子だ。
【関連記事】

