二〇一〇年、年明け恒例となった民主党の小沢一郎幹事長邸での新年会。政界最大の実力者のもとに駆けつけた約二百人の客の中で、小沢氏の世話役にあたった地味な議員が目をひいた。
その議員の名前は高嶋良充参院幹事長(68)。原口一博総務相ら「ごますり三人衆」といわれる議員より、はるかに小沢氏と接する時間が長い新側近グループの筆頭格だ。予算編成でも陳情とりまとめを、細野豪志組織委員長とともに小沢氏から任された。元旦の小沢邸でも、労組の後輩である平野博文官房長官と小沢氏を引き合わせて「政府と党はこんなに仲がよい」と自画自賛した。だが、年齢と二期十二年の議員キャリアの割には、つい最近まで知られた存在ではなかった。
大阪府枚方市の職員出身で自治労幹部を長く務め、自治労書記長を経て一九九八年参院選に民主党比例代表で当選。〇四年には約十七万票で再選を果たしている。この間、話題になったことといえば、横路孝弘現衆院議長が代表選に出馬した際に支持者として名を連ねたことぐらい。
「要するに、典型的な連合、官公労出身議員の人生ですよ。参院議員は昔から官公労の有力な天下り先。大過なく第二の人生を過ごすというコースのはずでした」(党関係者)
それが大きく変わり始めたのが、〇七年の参院選だった。必勝を期した小沢氏は日教組出身の輿石東参院議員会長との親交を深めた。高嶋氏はその輿石氏と、旧総評系労組出身者として絆が深い。輿石氏を介して高嶋氏は小沢氏と結びついた。小沢、輿石両氏の信任を得て、政権交代後は、衆参両院の筆頭副幹事長という党内ナンバースリーの地位を獲得したのだ。
自治労時代にこれといった業績があるわけではない高嶋氏が、小沢氏に重用される理由を、民主党筋は、
「高嶋氏は後藤森重という名物委員長の下で副委員長をやっていました。その時の行動は序列をわきまえ、自分勝手なことをせず、実力者には歯向かわない。まさに小沢さんの好みそのものです」
と解説する。
出身母体の自治労は今年夏の参院選に擁立する候補を決めており、常識的には高嶋氏はお役御免となる。だが組合幹部には年齢との兼ね合いで三期務める議員もいる。党内では高嶋氏が小沢氏の側近として重きをなしているだけに、「三期目の出馬もあり得る」との憶測さえ出ている。
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