THIS WEEK 政治

財務相に就任した菅副総理 ポスト鳩山策は「春まで我慢」

 小沢一郎幹事長の元秘書、石川知裕衆院議員の逮捕で激震が走った民主党。党内が動揺する中で一人、思案投げ首なのが、財務相に横滑りしたばかりの菅直人副総理だ。

 石川逮捕の翌日、菅氏は小沢氏、平野博文官房長官に続いて首相公邸に入り、鳩山由紀夫首相と二十分会談した。首相からすれば「小沢続投」で菅氏の言質もとるための儀式。菅氏は「鳩山・小沢・菅トロイカ体制」で責任を共有させられた格好だ。

 だが、「小沢氏と一蓮托生なのは自らも偽装献金問題を抱える首相の方で、菅氏は『政治とカネ』の問題はクリーンだ。鳩山も小沢も勝手にこけていく。残るのは菅だけだろう」(中堅議員)との見方が、菅グループには浮上している。

 事実、通信社の「次期首相にふさわしい人」調査では自民党の舛添要一氏、鳩山首相に次ぐ九・五%で三位。鳩山・小沢ラインとは距離を置き、やはり「ポスト鳩山」候補である岡田克也外相を上回った。国家戦略担当相として目立たなかった割には、上位にいる。財務相として仕事をしていけば、自ずと地位は高まっていくというのが菅氏と菅グループの読みだ。

 だが菅氏の前途は不透明だ。財務相就任の損得勘定も分からない。

「就任当日は『野田佳彦副財務相や仙谷由人行政刷新担当相なら小沢さんはウンといわない。小沢さんといいのはオレだけだ』と言わんばかりに意気軒昂でした」と関係者は明かすが、翌日からはすでに「官邸の部屋からは動かない」「財務省では記者会見しない」「財務省の秘書官は車に乗せない」と言い出した。荒井聰首相補佐官ら官邸に集めた側近グループの担当は国家戦略室。財務省には手足がないため、官邸に居残ろうというわけだ。しかも、

「財務相は、今年度補正予算案、来年度予算案の審議中は国会の委員会に張りつきで、自由な時間はほとんどなくなる。さらに野党の質問は小沢問題に集中する。政策論に限定したくとも副総理という立場上、黙っているだけでは済まず、首相と小沢氏を擁護する答弁を繰り返さざるを得なくなる」(全国紙デスク)

 それでも自民党政権では、No.2の財務相(蔵相)から首相に上りつめた例が多い。「予算が成立する春まで我慢。夏の参院選前後にチャンスがあればトップを狙う」――。こんな基本戦略を胸に菅氏は日々、自重の構えだ。


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