昨年九月の政権交代後初めて、鳩山由紀夫首相と谷垣禎一自民党総裁が一対一のガチンコ討論を行った一月二十一日の衆院予算委員会。両リーダーによる白熱の論戦が期待されたが、結果は、手ぬるい追及と精彩を欠く答弁に終始した。凡戦に終わらせた責任は両者にあるが、失地回復のチャンスをみすみす逃したという意味で「敗者」は谷垣氏の方だった。
「首相と小沢一郎民主党幹事長の政治資金疑惑、天皇陛下と中国副主席の特例会見問題などで、首相の苦しい釈明に野党側から激しいヤジが飛び議場が騒然とした場面でも、谷垣氏は淡々と次の質問に移り、苛立(いらだ)った自民党議員から『攻めなきゃ駄目だ。俺に代われ』という声が漏れたほどでした。誠実で温厚、争いを好まない谷垣氏の限界でした」(自民党担当記者)
「対外的な発信もさることながら、一番の問題は党改革が手ぬるいことだ」と中堅議員の一人は不満を隠さない。
「鳩山内閣の支持率が急落しているのに、自民党支持率は回復しない。『自民党は変わっていない』と思われているからだ。思い切った世代交代を図るしかないが、『みんなでやろうぜ』の谷垣さんには決断できない」
いまでは、党再生は谷垣氏には無理、参院選後に総裁を代える必要があるという声が自民党内にじわじわと広がっている。
「現時点でポスト谷垣の有力候補と目されるのは石破茂政調会長と舛添要一前厚労相の二人。石破氏は民主党批判の切れ味の良さに加え、部会長に新人議員を起用するなど世代交代を積極的に推し進めている点が中堅、若手から評価されています。与謝野馨元財務相や園田博之幹事長代理らも派閥横断的に後押ししている。ただ所属する額賀派内では『地味な閥務をやらない』とスタンドプレー批判も強く、組織的な支援を受けられるかは不透明です」(別の自民党担当記者)
その点は舛添氏も同じ状況だ。
「『次の首相』調査でトップになるなど人気と発信力の高さが売りだが、支持グループといえるほどの塊はない。過激な新党発言の一方で、森喜朗元首相や青木幹雄元官房長官らボスクラスへのあいさつも欠かしていない。新党と総裁選の両にらみでXデーに備えているようです」(同前)
自民党の救世主は現れるか――。
【関連記事】


