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小池徹平、山崎育三郎、磯村勇斗……今期、バイプレイで魅せたアラサー俳優3人衆

“普通”の恋愛ドラマがどんどん減っている昨今ですが

2018/12/16

 ふと思ったんです「最近、ドラマの中からクリスマスが消えてる」って。ちょっと前まで10月~12月期O.A.恋愛ドラマの最大テーマといえば、「いかにふたりが困難を乗り越え、ハッピーなクリスマスを迎えるか」だったはず。マライヤ・キャリーのハイトーン主題歌に乗せて、山口智子、松下由樹、柳葉敏郎が共同生活を送る『29歳のクリスマス』や、メロウな稲垣潤一の歌声が響く中、唐沢寿明と福山雅治が恋愛バトルを繰り広げる『ホームワーク』なんて激アツ作品もありました。

©iStock.com

“普通”の恋愛ドラマがどんどん減っている

 が、平成終了のカウントダウンが始まった今期、地上波でプライムタイムに放送中のドラマは「ほぼ、クリスマス死滅状態」です。どうした、クリスマス! 小田和正の『クリスマスの約束』とともにどこかに飛んでしまったのか?

 と、ドラマ界で隅っこに追いやられているクリスマスのことを思いつつ、フロントラインで語られることも多くなったドラマ界の「バイプレイ」=助演に注目したいと思います。アラサー実力派俳優たちが今期のドラマで魅せた存在感とは――。

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 そもそも「クリスマス感」どころか、オフィスや学校で展開する“普通”の恋愛ドラマがどんどん減っている昨今。今期も、ストーリーの進展が異常に遅い『獣になれない私たち』(日本テレビ)、中学生男子と新任教師との歳の差愛を描いた『中学聖日記』(TBS)、40代も後半に入った男女の変形恋愛模様『黄昏流星群』(フジテレビ)と、どうにもテンション(そして視聴率)が上がりづらい。

まさに「ベイビーフェイスの逆襲」

 そんな中、恋愛ドラマとして気を吐いているのが『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS)。若年性アルツハイマーに冒された産婦人科医の尚(戸田恵梨香)と、尚との出会いでふたたび小説家として歩み出す真司(ムロツヨシ)を軸に、彼らと周囲の人々の10年間が描かれています。

小池徹平は持ち前の“ベビーフェイス”をいかして…… ©時事通信社

「終幕」に向かっていくしかない哀しさと切なさの中に、ほっこりとした笑いをちりばめた本作でビビッドなバイプレイを魅せたのが小池徹平さん。尚と同じ病を抱え、自分と同じ闇の中に彼女を引きずり込もうとする松尾公平役をキラースマイル全開で演じる姿は、まさに「ベイビーフェイスの逆襲」です。