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連載近田春夫の考えるヒット

DA PUMP『U.S.A.』 歌詞に隠された秘密とは?――近田春夫の考えるヒット

2019/01/02

『THANX!!!!!!! Neo Best of DA PUMP』(DA PUMP)

絵=安斎 肇

 先週は、どんどんなんだか“暮れも押し迫った感”が希薄になってきているなぁ、みたいなことを書きましたけれども、この一年を振り返っての一曲てぇのがますますアタマに浮かばなくなっちゃったというチャートをめぐっての状況も、世間のそんな風潮にひょっとして「一抹」ぐらいの拍車は、案外掛けている可能性のあるやも知れませぬな。

 ま「レコード及び他大賞の形骸化」とかね、その手のヨタを適当に挙げつらねていくだけでも済む程度の話題ではあろうかとは思うのだけれども、昨今“国民的大ヒット”といわれ誰しもが「アレね!」と納得するような曲が必ずしも出ているのかと問われれば――売り上げがミリオンを超えようともそこは意味が別です――業界人とて即答に窮するというのが、今更お断りするまでもなくの、正直なjpopの景色なのではあるまいか。ここ数年を振り返るにしろ、述べてきた趣旨に照らし合わせたとき堂々の資格を有すに値する作品があるとするなら、ゴールデン・ボンバーのあの曲(といって誰でもわかることが何よりの証拠)ぐらいなものだろうと。俺はかねがねそう思っているものである。ところで……。

 比べてどうなのか? はさておくとしても平成最後の年。我が日本國を象徴もとい代表する一曲が『U.S.A.』であった! という意見にはおおかた異論もございますまい。

 ならばのご時世。年末年始DA PUMPのベスト盤なぞに耳を傾けるのも一興かいなと。

THANX!!!!!!! Neo Best of DA PUMP/DA PUMP(AVEX)

 これは『U.S.A.』を除けば、新生メンバーが初代DA PUMPの時のトラックに歌だけを吹き込み直した、一種企画モノともいえる内容になっているのだが、それら作品のすべては、m.c.A・Tこと富樫明生の一人仕事である。

 で、今回アルバムを聴き終えあらためて残った/感じたなによりは、富樫明生の仕事ぶりのとにかくパワフルなこと。その面白さ! に尽きる。

 ことに、DA PUMPデビューの頃の、ニュージャックスウィング的な作品の、どの要素(作詞作曲並びに編曲)をとってみても、なんともエネルギーに満ち溢れていたことかと、唸らずにはいられない。

 ただ、気になったこともあった。述べた通り独特なスタイルを持つビートで作られたということも関係しているのか、何かボーカルやラップのパートに於いて、タイミング的につんのめって/走って聞こえる箇所が散見されるのだ。そこはあんまり心地よくない。

 俺がシビア過ぎるのかもしれないが、その辺りに関しては人を踊らせる為の音楽をやっている人間ならば、おそらく気になる部分ではあると思うので、DJの皆さんには是非チェックをお願いしたい。てか、俺がボーカルのディレクションしたかったっすよ!

 しかし『U.S.A.』。これさぁ、今まで歌詞に目がいかなかったんだけど、読んだら実はこの中に「沖縄の問題」が隠されている可能性があるって気がしたね。ISSAは何をこの歌詞に思うのだろう?

THANX!!!!!!! Neo Best of DA PUMP/DA PUMP(AVEX)
『U.S.A.』の大ヒットが記憶にも新しいDA PUMP。新メンバーによる新レコーディングベストアルバム。「Feelin’ Good」(97年)、「ごきげんだぜっ!~Nothing But Something~」(98年)、「Rhapsody in Blue」(98年/日本レコード大賞優秀作品賞)、「Com’on! Be My Girl!」(00年)、「New Position」(14年、現メンバー曲)など収録。

今週の告知「12/31は毎年恒例、ゆーや(内田裕也)さんが主催する博品館のNEW YEARS WORLD ROCK FES.。活躍中で20時25分頃に出るよ。23時ごろからは横浜馬車道のアマゾンクラブにて、LUNASUNとして年越しのライブ予定だよ。お近くの方はぜひ」と近田春夫氏。「2019年も、ますます飛ばしていきますんで、よろしく!」

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出典元

貴乃花 全激白<10時間> 「<長男>優一に花田を名乗る資格なし」

2019年1月3・10日号

2018年12月26日 発売

特別定価460円(税込)