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深夜番組が厳しい時代にテレ東『ゴッドタン』が13年続く理由とは?――佐久間宣行×てれびのスキマ

「2018年のテレビバラエティを語ろう」#2

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 テレビ東京の人気番組『ゴッドタン』のプロデューサー・佐久間宣行さんと生粋のテレビっ子ライター・てれびのスキマさんによる2018年テレビバラエティの振り返り。

 後編では『ゴッドタン』や佐久間さんが新たにスタートさせた『青春高校3年C組』から、霜降り明星、チョコプラなど今年のブレイク芸人まで語って頂きました。(全2回の2回目/#1より続く)

テレビ東京の佐久間宣行さん(右)とてれびのスキマさん

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長続きする深夜番組、3つの方法

スキマ 前編でも「深夜」というキーワードがあがりました。佐久間さんは『ゴッドタン』を始めとして深夜番組をずっと作っていますが、深夜番組全体はどんな状況でしょう。

佐久間 これは難しい時代だと思うんだよな。ここから半年か1年ぐらいすると、また考えた方がガツッと変わると思います。いまはすごい過渡期で、ゴールデンに上がれる企画をやるか、お金がきちんと稼げる番組か、大物タレントさんの趣味的番組かの、3つぐらいしか長くは続かないですね。

スキマ 稼げる番組というのは具体的に、どういう稼ぎ方を。

佐久間 一時期はやっぱりDVDと配信だったんですよ。DVDの時期があって、いまは逆に配信と組んで、制作費をもらったり。でも徐々にライブエンターテイメントになってきましたね。

スキマ ライブエンターテイメント。

佐久間 はい。たぶん、各業界がそうなったのと一緒だと思いますね。音楽業界で起きることって映像業界で何年後かに起きる。ロッキング・オンが雑誌の会社から、完全にフェス会社になったのと一緒で。

 DVDの画素数ってYouTubeの4Kの何十分の1ですから。もう買わないんですよ。「ファンアイテム」ですよね。だから、配信に完全に移行する段階で。この時期に何でマネタイズするのかとなったら、やっぱりライブエンターテイメント。

『ゴッドタン』も「マジ歌ライブ」(横浜アリーナ)が1万2000人も集めるとは思わなかったですからね。そういう時代になっている。

ローカルだけど全国に広まった『相席食堂』

スキマ さっきの深夜番組と配信の話に戻るんですけど、『相席食堂』(朝日放送)はけっこう象徴的というか。ローカル番組ですけど「TVer」で配信されていて。それで全国的にもう一気に広まって。地方の番組だから見られないということが、どんどん少なくなっていくんじゃないかなと。

佐久間 普通に考えたら、NHKもひっくるめた見逃し配信サイトが完全にできあがった上で、そこが権利処理もして、スマホでも同時に生放送が見られるという段階にできるだけ速やかに移行しないと。いろんなメディアにテレビが便利さで負けるというのはもう間違いないんですよね。それは間違いないけど、テレビは巨大になりすぎて、関わってる権利団体がたくさんあるので。