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平成の終わりに考える ZOZO前澤友作さんは花火師か、あるいは思想のある経営者か

100万円さえ当たってくれれば良かったのになあ

2019/01/10
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 年は明けましたが、お前ら何かいいことはありましたか。

 以前、事業資金が足りないと言うのでカネを貸した直後いきなり逃げて行った古い友人から、何年かぶりに夫婦と娘二人が仲良く写っている写真がプリントされた年賀状が送られてきて血圧が上がった以外は、穏やかな年末年始を送っておりました。

©iStock.com

 実家に帰ったところ、老いた父親が頑丈なはずのハズキルーペを踏んづけて真っ二つにしたり、玄関先で塗ったペンキを嗅いだ野良猫ちゃんが気絶していたり幸先の良い一年を迎えられたと思っております。

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 2019年は平成も終わり5月1日からは新しい元号が始まるとのことですが、昭和生まれの私としては30年続いた平成の時代の総括って凄くむつかしいんですよね。なんかこう、社会的にはドーンと停滞していた30年だったなあと。

みんなと一体でありたいという隠れたモチベーション

 そんな陰鬱とした平成の最後に、我らがZOZO前澤友作さんが私財1億円を叩いて一般人100人に100万円ずつばら撒くというイベントが! いいですね、こういう夢のある話は。

 不肖、この私も「RTするだけで100万円貰えるチャンスがあるんなら」ってことで、前澤さんフォローしてリツイートしてみたんですが、後から後からなんか凄い量の応募者が!! 結果的には当然のようにハズレて残念な思いをしました。ちくしょう。でもまあ前向きに面白くネット上でワイワイ話題作りできるって最高ですよねえ。100万円外れて最高にムカつくけど。

月への旅行について会見する前澤さん ©getty

 前澤さんがそこまで計算して1億円ばら撒く話を思いついたのかは分かりませんが、こういうのがウケるバックグラウンドって、みんなで寄ってたかって盛り上がれる何かが求められているからだと思うんですよ。ハロウィンであれ日本代表が出場するスポーツイベントであれ、何かを吹っ飛ばしたい、何か辛いことを忘れたい、みんなと一体でありたいというもの凄い隠れたモチベーションが裏側に控えていると思うんです。