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「落ちたものを食べさせなさい」

 さらに藤田氏は、「しかも、ヒトの腸内環境の組成は生後1年間で決まってしまう」という。

「乳児期にどれだけ多くの種類の“共生菌”を体内に摂り込めるかが、ヒトの腸内環境を決定付けます。そのため、赤ちゃんには、善玉菌と言われる乳酸菌だけでなく、土壌菌が必須なのです。土壌菌というのは土のなかだけでなく、床やテーブルなどにも付着している菌です。ですから、赤ちゃんが身の回りのものをなめようとするとき、『バッチイ』などと言って遮ってはいけません。こうした赤ちゃんの行為は、自らの腸内環境を豊かに育もうとするいわば『本能』であり、私たちは太古からそうやって細菌を体内に取り込むことを続けてきたのです」

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 孫をもつ藤田氏はこれを2人の娘にも実践させた。

「娘たちには、『身の回りの細菌と仲良くすることが、アレルギーを遠ざけるんだよ。お父さんは何十年もそのことを訴え続けてきたんだ。それなのに、お前たちの子がアレルギーになったらお父さんは困ってしまうから、孫達には落ちたものを食べさせなさい』と言い続けました。娘達は『汚いからヤダ』と渋っていたのですが、ヤンチャな孫たちは母親が教えるまでもなく、テーブルに這い上がっては茶碗を蹴とばし、こぼれたご飯を手掴みで食べることを実践してきました。おかげで成長した今も、誰もアレルギーを発症することなく、風邪もめったに引かず、丈夫な免疫力を発揮しています」

文藝春秋2月号

「文藝春秋」2月号「『除菌抗菌ブーム』が日本人を弱くする」では、藤田氏が、日本の行き過ぎた清潔志向に警鐘を鳴らし、微生物や細菌が人体にとっていかに必要不可欠であるかを長年の研究をもとに詳述している。

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