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「社長に物申す人がいない」松本晃が語る ライザップが子会社の“ダイエット”を開始した理由

 1月25日、RIZAPグループ(以下、ライザップ)は子会社である日用品販売会社「ジャパンゲートウェイ」の売却を発表した。

 ライザップは昨年11月14日の決算説明会で、2019年3月期の決算予想を159億円の黒字から一転、70億円の赤字に下方修正。近年、M&Aを繰り返して事業を多角化・拡大してきたものの、グループ傘下の企業の経営が改善せず、そのツケが赤字となって跳ね返ってきていた。

 今回の「ジャパンゲートウェイ」売却は、ライザップがついに85社におよぶ傘下企業群の“ダイエット”に乗り出したことを意味する。

RIZAPグループ代表取締役 松本晃氏

「何でも聞いてください。僕は正直に答えますので」

 昨年の12月初旬――。東京都新宿区の高層ビル内にオフィスを構えるライザップ本社。フロアの一角にある会議室に現れた“プロ経営者”は、柔らかな表情でそう言った。

 松本晃氏(71)は、伊藤忠商事、米ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人を経て、2009年にカルビーの代表取締役会長兼CEO(最高経営責任者)に就任。シリアル商品「フルグラ」を大ヒットさせて業績不振に喘いでいたカルビーを再建するなど、優れた経営手腕を発揮してきた。その松本氏が、カルビー退社後の新天地に選んだのがライザップだった。

「議論の文化」が存在しない

 松本氏はCOO(最高執行責任者)としてライザップに移籍。傘下の子会社を視察した上で、社長の瀬戸健氏(40)に新規M&Aの凍結を提案したという。インタビューでは、柔和な表情とは対照的に、厳しい発言が飛び出した。

「私の経営哲学は、『正しいことは正しく』というものです。ですが、経営陣のなかで、会社にとって何をするのが『正しい』のか、これまで全く議論されていなかった。少なくとも、ライザップの上層部においては、そのような議論の文化が存在していないようでした」