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「女子高生の流行」から脱却目指すTikTok おじさん流入で成功するか

「新しい地図」の3人も挑戦

2019/02/21

 2018年の携帯アプリ業界を席巻したのがショート動画アプリ「TikTok」だ。音楽に合わせて、リップシンク(口パク)やダンスをして15秒間の動画を制作、共有するのが基本的な使い方だ。

世界で4番目にダウンロードされているアプリ

 中国のバイトダンス(北京字節跳動科技)社が開発したもので、日本では2017年10月にローンチされた。約1年後の2018年12月には月間アクティブユーザー(MAU)が950万人を記録するまでに成長した。運営企業バイトダンス日本法人の西田真樹副社長は2月16日に都内で開催されたTikTok CREATOR’S LAB. 2019(以下、「クリエイターズラボ」と略記)の席上、この数字を発表し、「1年でこれだけのユーザーを集めるサービスはなかなかありません」と胸を張った。TikTok人気は日本だけにとどまるものではない。携帯アプリ調査会社App Annieによると、2018年の世界アプリダウンロード数でTikTokは第4位にランクインしている。世界規模で見ても携帯アプリ市場を騒がす風雲児である。

日本市場におけるTikTok月間アクティブユーザーの推移。月間アクティブユーザーは950万人(2018年12月)に達し、成長を続ける。筆者撮影
バイトダンス日本法人の西田真樹副社長。バイトダンス提供

「見る」「撮る」「広がる」3つのポイント

 日本のユーザーの多くは10代の若者だ。中高年には何が面白いのか、他の動画アプリと何が違うのか、なかなかわからない。そこでTikTokの人気の理由について解説しよう。「見る」「撮る」「広がる」という3つの新機軸がカギとなった。

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 まず「見る」だが、TikTokはAI(人工知能)による強力なリコメンデーション機能を持っている。ユーザーがどんな動画を好みかをAIが学習すると、おすすめ欄には興味を持つ動画ばかりが表示されるようになる。ペット動画が好きな人にはペットの動画が、ダンスが好きな人にはダンスの動画が表示されるといった具合だ。というわけで、自分のおすすめ欄を人に見せると趣味嗜好がバレバレになってしまうという罠もありそうだ。水着女性のダンスばかりを見ている人は要注意か。

「新しい地図」の3人もTikTokに挑戦