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学び直しブームも後押し 「最も効率のよい英単語の学習法」とは?

『英単語の語源図鑑』(清水建二・すずきひろし 著)――ベストセラー解剖

2019/03/06
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『英単語の語源図鑑』(清水建二・すずきひろし 著/本間昭文 イラスト)

 最も効率のよい英単語の学習法は何か? そんな難題に英語教師として40年以上向き合った著者(清水氏)が辿り着いた答えは、語源にまで遡ること。たとえば「sub-」に「下に」という意味があると知っていれば、「subway」(「sub」+「way(道)」)が「地下鉄、地下道」だと構造的に理解できる。そうした構成に加えて、単語のイメージを表現したイラストも記憶の定着を手助け。創意工夫に満ちた英単語学習本が爆発的な売れ行きを見せている。

「ひとつの単語に必ず1枚イラストを付けるビジュアルの豊富さと、そのイメージの的確さが、本書の大きな特徴です。読者は中学生から80代の方まで幅広く、若い方には塾や学校の先生に勧められて広まっているようです。高齢の方は、お孫さんに教えたいとか、東京オリンピックのボランティアに参加するために英語を勉強したいという動機で手にとってくださるようですね。30代、40代のビジネスパーソンを想定して作っていたので、思わぬ反響に驚いています」(担当編集者の米田寛司さん)

 近年、社会人に広がる「学びなおし」のブームも、人気を後押ししている気配。

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「いわゆる教養本ほどハードルが高くなく、楽しく学べそうな点が読者に響くのかな、と。古びない内容ですし、販売や宣伝を工夫して、長く売れ続ける本にしたいですね」(米田さん)

2018年5月発売。初版5000部。現在16刷50万部

英単語の語源図鑑

清水 建二

かんき出版

2018年5月25日 発売

学び直しブームも後押し 「最も効率のよい英単語の学習法」とは?

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