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アメリカ在住のAV女優まりかさんが乳がんを語る「最初は、できるだけ胸を残したかった」

Maricaインタビュー #1

2019/03/14
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「朝起きたらしこりがなくなっているかもしれない」

 アメリカの場合、日本と違って健康保険制度が非常に複雑です。私が入っている保険は、日本円にして月額約8万円というかなり手厚いタイプなのですが、決められた病院のメインドクターのグループ内でしか受診できません。その病院には、私が住んでいるエリアから車で約2時間半かかります。

 そのため、病院に行くのがとても億劫になりがち。

「朝起きたらしこりがなくなっているかもしれない」

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 と淡い期待を持ちながら、数週間を過ごしました。

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 もちろんしこりはなくなりません。ようやく重い腰を上げ、検査を受けたところ「85%の確率で良性」だと言われましたが、同時に

「今はがんではないけれど、がんになる可能性が高いから取るべき」

 とドクターに手術を勧められたのです。

終わった後の手術台

 その日からの展開は早く、昨年10月23日に、1回目の手術を受けることになりました。部分麻酔をかけて行ったのですが、終わった後の手術台を見ると、恐怖で汗びっしょり。思わず写真を撮って、日本の友人たちに送ってしまったくらい。

 ちなみに、摘出したのは腫瘍を中心とした3.2センチの塊です。手術当日には、「まだがんかどうかはわかりません。細胞検査を行って、良性か悪性なのかを判断する」とのことでした。

 手術から2週間後、私は診察の予約を取っていました。

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 検査当日の朝、突然ドクターから電話があり、

「予約の時間よりも早く来て欲しい」

 と言われました。