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乳がんで“全摘出”を決めたAV女優のまりかさん「私が乳房再建のドクターにお願いしたこと」

Maricaインタビュー #2

2019/03/14

私らしく、ポルノスターとして日々を送りたい

 アメリカのポルノスターは、撮影が終わった後のインタビューで、乱れたヘアメイクを直すようなことはしません。作りものを見せるのではなく、「頑張ったよ!」というリアルな姿をファンに見せます。

 なぜなら、アメリカのポルノスターは、ポルノスターである前に人間だという考え方で仕事をしているから。そのため、作品ではとびっきりセクシーに振る舞う一方で、オフショットやSNSでは一人の人間として、すっぴんの姿も見せる。そんな風に生きています。

 だから、私が治療する姿を見せようと決断したのも当然の成り行きでした。YouTubeでは、シュガーフリーのお菓子を作ったり、血液検査に行ったりする様子を映像でお伝えしています。英語と日本語で編集していますので、ぜひ見てみてくださいね。

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 2月20日には再建のためのインプラントを見にいってきました。「これが自分の胸に……」と感慨深かったです。ちなみに、乳房を再建するドクターへのリクエストは、「ナチュラルに美しく見えること」です。

 さて、今回の手術では300万円~500万円の費用がかかると言われています。もうじき予算表が来ますが、最終的な金額は請求書が来るまでわかりません。手術もドキドキですが、この請求にもドキドキです。

 そんな怖さと向き合いながら、手術の日まで私らしく過ごしたいと思います。

 私らしく過ごす……それは、ポルノスターとして日々を送ること。私がプロデュースしたポルノ作品の撮影や編集に追われ、がん患者なのに忙しい毎日です。

 そして手術を終えたら、復帰してからの日々のことを考えます。

 

 AVデビューから10年間、様々な作品に出演し続けてきて、こんなに長いお休みは初めてなので、復帰後初の撮影現場はどんなものでも嬉しいんだろうな! とか。将来は、ポルノのプロデューサーになって、まだアメリカにないポルノメーカーを作りたいな! とか。メーカーを作ったら、日本人女優さんに出演してもらいたいな! とか。ポルノは私の人生! だから、復帰を楽しみに待っていてくださいね。

 まりかさんは乳がんを抱えながらも、世界的なポルノ賞である「AVNアワード」「XBIZアワード」でノミネートされ、華やかな衣装でレッドカーペットを歩いた。彼女は、日本人女性ではまだ誰も足を踏み入れていなかったアメリカのポルノ業界に単身で乗り込み、道を切り開いてきた。そして今後は、乳がん治療の道を切り開いていく。まりかさんの手術費用をはじめとした治療にかかる費用は、こちらのクラウドファンディングサイトから支援できる。

GoFundMe」(https://www.gofundme.com/f/ny6gu5-breast-cancer-sucks)

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