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「日本は敵国で憎んでいた。でも恋に落ちてしまった」 デストロイヤーさんの日本愛

2019/03/17
力道山との死闘に列島が沸いた ©共同通信社

“白覆面の魔王”の異名で力道山やジャイアント馬場と死闘を繰り広げた米国の人気レスラー、ザ・デストロイヤーさん(本名、リチャード・ベイヤー)が3月7日、米国内の自宅で亡くなった。死因は公表されなかったが、実際には老衰であった。享年88。

 日本のファンにこれほど愛されたガイジン・レスラーはいない。まぶしかった昭和プロレスのレジェンドだ。

 デストロイヤーは1963年5月、覆面レスラー初のWWA世界ヘビー級王者として初来日した。東京体育館での力道山との防衛戦では得意技の足4の字固めを仕掛け、血みどろの攻防を展開。結果は28分15秒、両者レフェリーストップでデストロイヤーが辛うじて王座を防衛した。

 両者4の字固めの応酬でスネを痛め、顔面も真っ赤。その凄絶なシーンを、当時として初の試みである天井から吊るしたカメラが捉え、新聞紙上の写真をよりセンセーショナルなものにした。日本テレビの中継放送は視聴率64%をマーク。これはテレビ史上4位の高視聴率である。