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連載僕が夫に出会うまで

キューピッド役だったはずの高校生の僕は、恋するゲイ少年となった

サッカー選手にいそうなイケメンの彼にアドレスを聞かれ……僕が夫に出会うまで #11

2019/03/21

ハセの第一印象は「サッカー選手にいそうなイケメン」

 ハセは一重で、サッカー顔というか「サッカー選手にいるよね、こういうイケメン」って思えるような顔をしていて、とてもカッコいい人だと思った。この人と仲良くなりたいと心が叫んだ。僕は廊下に出てハセと挨拶をした。

「ハセ、初めまして。津田っちね、動物園行くって! 良かったね!」

「良かった! 七崎、本当にありがとう! でも、どうやって言って、誘ってくれたの?」

 ハセは声までカッコよかった。ハセの顔と声で、僕の心臓は、誰かに絞られているみたいにキュウウ……となった。

「どうやってって、普通に。ハセが津田っちの事が好きだから動物園に行き…」

「え⁉ 俺が津田さんの事を好きだって言っちゃったの⁉」

 ハセが驚いていることに僕も驚いてしまった。

「言わないと始まらないじゃん。ダメだったの?」

 

「……いや、動物園来てくれるんならよかったけど……普通言わないだろ! 噂通り、七崎は変なやつだな。ある意味、すげえやつなのかもしれない!」

「すげー」と言われ、照れた

 僕にはハセの言う「普通」がよくわからなかった。「普通じゃない」「すげー」といわれ、僕は照れた。

「ありがとう」

「七崎はどうしてすぐ女の人と仲良くなれるの? 俺は緊張して喋れなくなるんだけど…… 緊張しない秘訣とかあったりするのかな」

「慣れれば良いんじゃない? ちょっと待ってて、津田っち呼んできてあげる!」

 僕が、ハセと二人で話をしていて、緊張していることは、彼も気づいていない。

「津田っち、この人がさっき話したハセだよ!」

「あぁ、なんか、すみません。はじめまして。津田です」